たびのあとさき

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産経・名誉毀損記事の悪意を問う(1)【産経新聞 前ソウル支局長、起訴問題】

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産経新聞の加藤達也前ソウル支局長が韓国の検察に在宅起訴された件が、日韓で大きな波紋を呼んでいます。

検察による起訴は、大統領府の意向があってこそのことです。「『言論の自由が守られない国』という国家イメージの悪化」、「韓国内における報道の萎縮・言論弾圧に向かうのではないかとの懸念」、「そもそも相手にすべきでない記事(三流記事)に国が本気になる愚」、「日韓関係のさらなる悪化」これら全ての点において、適切な対処ではなく、朴大統領の大きな失点になったのは間違いありません。韓国でも否定的な見方が大半を占めている印象です。

一方、こうした韓国側の不適切な対処への非難とは別に、産経新聞の報道姿勢についても批判が向けられるべきだと考えます。いくらウェブ記事とはいえ、全国紙の社名を掲げた記事です。あのように下卑た意図が明白な記事を発信するのは、無用な物議を醸して日韓関係を損なうだけでなく、日本のジャーナリズムに疑念を抱かせることにつながりかねません。

 

ご存じの通り、産経新聞の記事は朝鮮日報の7月17日付のコラムを元ネタとしています。そのため日韓両国で「同じ噂について書いたものであり、むしろ産経の記述は引用であるのに、産経だけが問題視されるのはおかしい」との意見も出ています。ただ私はツイッターにて、8月の時点から、「産経新聞朝鮮日報の記事を同一に扱うこと」について疑義を表明してきました。

 

それはなぜか。同じ噂が題材として載っているとはいえ、その趣旨に大きな違いがあるからです。朝鮮日報コラムは、大統領側近人事への批判と、本人にもっとしっかりして欲しい、という趣旨でハッパを掛けるために、本来取り合う価値もない噂の流布を、現政権の「ふがいなさの例」として示した形でした。一方、産経ではその中から噂だけを取り出して主題とし、まるで信憑性があるかのごとく記事にしており、悪意があるとしか言いようがないと思います。


今回、改めてブログ記事として、皆さんに両者を比較する機会を提供したいと思います。

 

2に続く)