たびのあとさき

好きなことを息長く

日本発・偽ニュースサイトに韓国は怒り狂ったか

 昨日触れた、「大韓民国民間報道」なる偽ニュースサイト、韓国ではどのように受け止められたのだろうか。

 ニュース検索をかけてみた。結果、大手メディアで記事にしたのは中央日報電子版だけであることがわかった。

一部の日本人が、行きすぎた嫌韓感情により、偽ニュース記事を連日作成している。

から始まるこの短い記事は、事実関係を淡々と説明している印象だ。

 同じ記事の、大手検索サイトの「ネイバー」への配信版を見ると、結構な数のコメントがついていた。

 だが書かれた内容を見ると、「ノ・ムヒョン」という韓国人名(記事中一部で女児強姦の犯人とされている。ただし元記事では「イ・ムヒョン」表記と混在)に反応した、よくある盧武鉉元大統領を揶揄する冷笑系コメントが多く、日本を非難するようなものは少ない。

 「一部の日本人」の嫌韓の酷さは、もはや良く知られた事実であり、読者に驚きもなければ、感情的になることもないのかもしれない。

 そのほかに、二つのネット記事が確認できた。(一つは、問題提起のため、私もよく知るユースケ氏が情報提供したことにより、作成された記事)

 日本でも大手メディアが取り上げるまでには至っていない(本日1月28日付・東京新聞くらい?)ことも影響しているだろうが、韓国メディアの関心は薄い。

 記事もあっさりしている。もし日本人の品格の酷さを強調して煽りたければ、格好のネタにできそうなのに。各記事の酷い内容を詳細に並べ立てることも出来るし、元在特会桜井誠氏の拡散後、真に受けてシェアした日本人も多かったことなどを強調して書くことも出来る。しかし韓国メディアとして、これをそうした煽りネタに活用することはなかった。

 結果、記事がポータルサイトSNSで大きな反響を呼んだ形跡はない。

 これが逆だったらどうだろうか? 日本の場合、名の通った既存メディアでも「反日に狂う韓国、ついにニュースサイトもでっち上げ」といった記事を載せ、煽っていた可能性はないだろうか。

 

韓国のトンデモニュースに飛びつき、煽った日本のメディア

 同等に比較できるケースではないものの、私はある騒動を思い返していた。

 2015年5月。韓国でもほとんど誰も知らない、地方の小都市を拠点とする零細サイト「デイリージャーナル」の『イルカが語る、2020年の東京オリンピックはない』と題したトンデモコラムが、日本のネットで大きな反感を呼んだ事件だ。

 一部の日本のメディアが、あたかも韓国でそれなりのニュースサイトに載ったコラムであるかのように扱った記事を掲載し、週刊誌が執筆者のメールインタビューを行うに至った。これにより、この話題はさらにネットで大拡散することになった。

 当時書かれた記事を挙げよう。

 一番目のダイヤモンドオンライン記事などは、

っつーか、このコラムを読んだ日本人は、おそらく中央区築地に本社を置く新聞社を除いて、誰もが不快な思いをしたはずだ。

などと、無関係な朝日新聞まで貶している。

 週刊ポストも、こんな人物の「思考」を評するのに、お馴染みの東京基督教大学教授・西岡力氏を引っ張り出してくる始末である。空騒ぎ、狂騒としか言いようがない。

 もちろん元の記事が主張した内容は酷いものだが、こんなネットの片隅のゴミ記事を大々的に取り上げ、あたかも韓国の代表的な意見であるかのように書いて韓国蔑視を煽る前に、まずは足下を見ろよと言いたくなる。

 考えてみよう。日本で、それなりに名の知れたまとめサイト産経新聞系列のサイト…等々で、韓国についてどれほど侮辱的で事実関係の誤った記事が乱舞しているかを。あれが日本人の品性を代表しているのか(ひょっとして、してるかもしれない可能性を考えると、心底寒々とするが)。

 事実関係をまっすぐ伝えることよりも、読者が読みたい下世話さを優先することに抵抗がなくなれば、そのメディアはどんどん偽ニュースに近づいていく。


 韓国のメディアにも問題は多く、私も機会があるときには韓国の記者らに日頃気づいたことを話し、問題提起している。今はインターネットにより、国境を超えて情報が太くつながっている。内容の妥当性を検証できる読者も多い。両国のメディア共に、無用な煽りを排除していく方向へと、淘汰・浄化されていって欲しいものだ。

 

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